視覚障害リハビリテーションでは、「問題をどう解決するか」に意識が向きがちですが、それ以上に重要なのが“問題発見力”です。表面的には歩行も白杖の操作も順調に見えても、利用者が「実は夜道が怖い」「見えにくくなったけれど言い出せなかった」と感じていることは少なくありません。

こうした「言葉になっていない課題」に気づけるかどうかが、支援の深さを左右します。たとえば、「最近外出が減っていませんか?」とさりげなく問いかけたり、「歩き方が少し変わったようですね」と気づきを伝えるだけで、本人の不安や本音が引き出されることもあります。

問題発見力とは、違和感を放っておかない力。観察力や感受性、そして対話の積み重ねが支援者に求められています。「この方にとって、今本当に支援が必要な部分はどこか?」という問いを持ち続けることが、支援の質を高める鍵になるのではないでしょうか。

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