全国に視覚障害のある人は約30万人。
その一人ひとりが、安心して「歩く自由」を手にするには、白杖歩行や日常動作の訓練を行う歩行訓練士の存在が不可欠です。
けれど今、その支援の“担い手”が、あまりに足りていません。
2024年の調査では、全国に歩行訓練士はわずか245人、うち実際に訓練業務に就いているのは189人だけ。
一部地域ではゼロ、または1人しかおらず、訓練を希望しても「2年待ち」「受けられる見込みがない」と言われる方も少なくありません。
島根県では常勤・非常勤あわせても実働3名。
都道府県単位で見れば、支援格差は深刻です。
訓練を受けられるかどうかが、住む地域によって決まってしまう――それが、今の日本の現実です。
このような状況にも関わらず、歩行訓練士は国家資格ではなく、公的登録制度も整っていません。
養成機関は全国でわずか2か所。年に数十人の新規育成では、必要な支援数に到底追いつかないのです。
私たち当事者団体が声を上げなければ、状況は変わりません。
どこに住んでいても、見えにくくても、
「歩きたい」と願うすべての仲間が等しく支援を受けられるように。
今こそ、制度の見直しと人材育成の必要性を、行政と社会に届けるときです。


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