日本には約32万人の視覚障害者がいます。
そのうち、厚生労働省認定の「歩行訓練士」から正式に白杖の歩行訓練を受けたことがある方は、約6割、推定で19万人ほどにとどまります。
裏を返せば、残る13万人――およそ4割の方が、専門家の歩行訓練を受ける機会を持てていないのです。
「訓練の存在を知らなかった」
「近くに訓練士がいない」
「順番待ちで2年先と言われた」
こうした声が、現場には少なくありません。
いま、日本に現場で実際に訓練を行っている歩行訓練士は、たったの189人。
都道府県によっては、ゼロ、または1人だけというところもあるのが現実です。
でも、歩行訓練は、単なる白杖の使い方ではありません。
「どこまで支えて、どこから見守るか」――家族にも役立つヒントがあります。
訓練機関や支援者の皆さまも、改めてこの実態を知っていただきたいのです。
「歩く自由」は、暮らしの土台です。
視覚に障害があっても、誰もが自分の足で安心して歩ける社会へ。
いま、歩行訓練の存在を“見つめ直す”必要があります。


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