視覚障害者が、自分の足で地域社会を歩くために不可欠な支援。
それが、白杖を用いた歩行訓練です。
この訓練を担うのが「歩行訓練士(視覚障害生活訓練等指導者)」。
しかし、全国で実際に訓練に従事する専門職は、わずか189人にとどまります。
視覚障害者は全国で約30万人。1人の訓練士が、約1,600人を支えている計算です。
都道府県によっては訓練士がゼロ、いても1名のみ。
「受けたくても2年待ち」という事例が各地で起きています。
その背後にあるのは、制度設計の不備と人材育成の限界です。
歩行訓練士は国家資格ではなく、養成機関は全国に2か所のみ。
そのため人材の供給は限られ、配置基準や待遇も自治体任せ。
“制度があっても使えない”状態が、慢性的に放置されています。
今、求められているのは――
・歩行訓練士の国家資格化と登録制度の整備
・全国どこでも訓練を受けられる配置基準の法定化
・自治体が訓練士を確保・雇用しやすくする財政的支援と委託制度の拡充
・教育・医療・福祉をまたぐ省庁連携と横断的な予算措置
視覚に障害があっても、地域で当たり前に暮らす。
その当たり前を支えるインフラとして、歩行訓練士の支援体制整備は不可欠です。
この問題は、制度の空白です。
ぜひ、次の政策提言の一つとして取り上げていただけませんか?


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