私たちが日々向き合っている子どもたちは、
視覚に障害があっても、自分らしく未来を切り拓こうとしています。
白杖を持ち、自分の足で歩ける力を身につける――
その大切さを、私たちはよく知っています。
しかし卒業後、その歩行力をさらに伸ばし、生活に定着させる機会が
十分に確保されているかといえば、残念ながら答えは「NO」です。
2024年の全国調査では、歩行訓練士として実務に就いているのは
全国でわずか189人。都道府県によってはゼロという現実があります。
白杖を使えるようになっても、
「地域には訓練士がいない」「卒業後は訓練が受けられない」
そんな声を、私たちも何度か耳にしてきたはずです。
歩行訓練士は国家資格ではなく、養成機関も全国にたったの2か所。
制度面でも人材面でも、大きな課題を抱えています。
けれどだからこそ、学校現場が“リハビリテーションの入り口”として
子どもや保護者に、地域の歩行訓練士や支援制度の情報を届ける役割は
ますます重要になってきています。
卒業後の地域生活を支えるのは、今の“学び”の延長線です。
学校から地域へ。教育から生活へ。
その橋をしっかりとつなぐために、今こそ情報共有と連携の強化を。
子どもたちの「歩いて生きていく力」を、私たちの手で絶やさぬように。


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