「歩き出したい」その想いに、届いていない支援がある。

白杖を持ち、もう一度、自分の足で外へ出たい。

そんな願いを叶えるはずの「歩行訓練」――

でも、それが“届いていない”現実を、私たちはどれだけ知っているでしょうか。

最新調査によると、日本で実際に歩行訓練を行っている訓練士は、たった189人。

視覚障害者は30万人。単純計算で、1人の訓練士が約1,600人を支える計算です。

さらに、都道府県別では「ゼロ」の県が4県、1人だけの県が12県。

「訓練を受けたくても2年待ち」――これが、いまの日本の現実です。

制度の“空白”は深刻です。

歩行訓練士は国家資格ではなく、養成機関は全国にわずか2か所。

資格を持っていても、配置されないまま埋もれている人材も少なくありません。

このままでは、「必要なのに受けられない」人が増え続けるだけです。

私たち当事者団体の声が、いま必要です。

「誰もが当たり前に訓練を受けられる社会をつくってください」

その一言が、制度を動かす原動力になります。

外へ出るために、勇気を出して手にした白杖。

それが“持つだけの道具”にならないように。

行きたい場所に、自分で向かえる人生を取り戻すために――

どうか、一緒に声を上げてください。

「歩ける社会」は、黙っていては生まれません。