視覚障害がある方が、自分の足で安心して歩くために。

白杖を使った移動方法や、環境への対応力を身につける――

それを支えるのが、専門職「歩行訓練士」の役割です。

けれど、日本ではその訓練を受ける機会自体が極めて限られています。

最新の公的統計によると、歩行訓練を新たに受け始めた視覚障害者数は、

全国でも“年間数千人規模”にとどまると推測されています。

人口30万人とされる視覚障害者のうち、ごく一部しか訓練を受けられていない現状――

これは制度的な問題だけではなく、私たちの生活に深く関わる問題です。

実際、広島市の令和3年度データでは、訓練を受けたのはわずか27人。

この数字は、全国どの地域にも共通する課題を映しています。

「そもそも訓練の存在を知らなかった」

「住んでいる地域に訓練士がいない」

「待機期間が長く、希望すら諦めてしまった」

これらは、現場で繰り返し聞かれる声です。

私たち当事者団体こそ、こうした実情を正しく把握し、

当事者や家族に情報を届け、制度の改善を社会に働きかける立場にあるのではないでしょうか。

歩行訓練は、単なる「技術」ではなく、

自信と安心、そして“自由”を取り戻すための第一歩です。

今こそ声を上げましょう。

「必要な人に、必要な訓練が届く社会」へ。

私たちの行動が、その扉をひらきます。

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