それは、私たちが動けば変えられる現実かもしれません。
視覚に障害があるから外出できない。
そう思い込んでいる方は、決して少なくありません。
でも本当は、外に出られない理由の多くが「訓練を受けられない環境」にあるのです。
白杖を安全に使う方法や、信号機の音の聞き分け、
点字ブロックの活用、段差の乗り越え方……
視覚障害者が一人で移動するために必要な知識とスキルは、
歩行訓練士と呼ばれる専門職から受けることができます。
しかし現在、その歩行訓練士は全国で189人。
しかも都道府県によっては「ゼロ」という地域もあります。
訓練を受けるどころか、制度の存在さえ知らない方もまだ多いのが現状です。
でも、私たち当事者や家族、支援者が
「必要だ」と声を上げ、「使いたい」と言い続ければ、
訓練は“選べる支援”として、きっと身近になっていくはずです。
たとえ今すぐ訓練が受けられなかったとしても、
「必要とされている支援」があることを、地域や行政に伝えていくことはできます。
歩行訓練は、“特別な人のための支援”ではありません。
すべての視覚障害者の“あたりまえの権利”です。
私たちが必要とする声を、届けること。
それが、次の誰かが歩き出す道をつくる一歩になります。


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