私たち視覚障害者にとって、「外を歩く」「一人で出かける」という当たり前の行動は、時にとても高いハードルになります。

だからこそ、白杖を手にし、安全な歩行を学ぶ“歩行訓練”の機会は、本来誰にとっても公平に、そして迅速に受けられるべき支援です。

でも現実は――。

日本全国に約30万人いる視覚障害者に対し、実際に歩行訓練を行っている歩行訓練士は、たったの189人。

地域によってはゼロ、または1人。訓練を希望しても「2年待ち」と告げられる人もいます。

この支援格差を放置してはいけない。

でも国内の養成機関は2つだけ。年に数十人しか新たに育てられない。

だからいま、「海外の力を借りる」という選択肢が検討されています。

アメリカなどにはO&M(歩行訓練専門職)と呼ばれる有資格者が多数存在し、国際的な連携で日本の支援現場を支える可能性があるのです。

もちろん、言語や文化の壁もあります。

けれど、「歩きたい」と願う仲間が、この日本に確かにいて、その声が埋もれているのなら――

国も社会も、もっと柔軟に、もっと本気で考えるときなのではないでしょうか。

わたしたち当事者団体が声をあげなければ、この現実は変わりません。

そして声を上げた先には、もしかしたら、国を超えた新しい“仲間”が来てくれるかもしれない。

誰もが、「歩く自由」に手が届く社会へ。

その一歩を、今、踏み出しましょう。

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