トリップシェルターが創る“地域とつながるリハビリ”──視覚障害支援の拠点が移動する意味

福祉の支援は、人の「暮らし」の中でこそ真価を発揮します。特に視覚障害のリハビリテーションでは、環境の中での実践が不可欠です。そんなニーズに応える形で登場したのが、ダイレクトカーズ・トリップシェルターです。

この支援車両は、移動式であることの強みを最大限に活かし、生活の現場に支援者が訪れることで、本人の生活文脈に即した訓練が可能になります。

たとえば、自宅近隣のスーパーまでの歩行訓練のあとに、車内で振り返りを行ったり、ICT訓練で使用する機器の相談をその場で行ったり。

また、家族との相談や地域とのつながりも、この車両を通して実現できるケースがあります。

さらに注目すべきは、災害時の避難支援や地域福祉イベントへの出張支援の可能性です。リハビリ支援を「点」から「面」へ広げていくための“モビリティ”が、ここにあります。

支援を届ける場所が変われば、支援のかたちも変わる。トリップシェルターは、視覚障害のある方の暮らしと地域をつなぐ、これからの福祉の架け橋なのかもしれません。