「不公平な遺言」じゃなかった。想いがつないだ家族のかたち

相続というと、「お金の分け方」と思われがちですが、実はそこには“想いの継承”という、もう一つの大切な意味があります。

ある大地主の家庭で、71歳の父が亡くなった後、遺言により「不動産はすべて長男に」という内容が明かされました。長女と次男は「なぜ？ 不公平だ」と大きく反発しました。

ですが、遺言とは別に残されていた手紙に、父の本音が綴られていました。

「長男はずっと家業を守り、不動産管理に尽力してくれた。家の未来を託したい」

その言葉を読み、兄の姿を思い出した姉と弟は、やがて涙を流しながら納得していったのです。

しゃかさぽでは、この話に福祉の視点を重ねて考えます。

相続も、支援も、家族の関係も、「平等」より「納得」が大切な場面があります。

数字では見えない“想い”に触れたとき、人の心は動くのだと思います。

お金だけを見れば不平等でも、「あの人に託したい」という想いや、「任せられる役割」があるなら、それも立派な家族のかたちです。

支援の現場でも、誰かの立場や想いを丁寧にくみ取ることで、見える景色が変わります。

相続もまた、家族をつなぐ対話のひとつ。

しゃかさぽは、そんな“想いの橋渡し”を応援します。