「低所得者への減税は効果が薄い」と語るのは、経済学者の竹中平蔵氏。耳を疑いたくなるような一言ですが、その背景には見過ごせない社会の構造があります。
竹中氏は、減税よりも注目すべきは“社会保険料”の増加だと指摘します。所得税や消費税といった“目に見える税”よりも、厚生年金や介護保険、医療保険などの“保険料”こそが、家計にじわじわと重くのしかかっているのです。特に給与から天引きされる仕組みのため、負担の実感が薄く、知らぬ間に“増税状態”になっている方も多いのではないでしょうか。
福祉の現場に身を置く私たち社会福祉士にとっても、これは見過ごせない問題です。支援が必要な方ほど、こうした制度の複雑さに翻弄され、生活の苦しさをうまく表現できないことがあります。制度の狭間に置かれた人々をすくい上げるには、目に見えない負担にも目を向ける必要があります。
「怒る相手を間違えないでほしい」と竹中氏は言います。感情的に制度を批判する前に、本当に困難を生んでいる構造を知り、声を上げていくことが、今求められているのかもしれません。
しゃかさぽは、見えにくい“暮らしの痛み”に寄り添い、制度の隙間を埋める支援をこれからも続けていきます。


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