ドイツでは、近年「自転車に乗れない子ども」が増えているそうです。自転車といえば、子どもが最初に体得する「自立の一歩」のような存在。それが難しくなっている背景には、社会の変化が大きく関わっています。

都市化や車社会の進展で、子どもたちが自由に外で遊べる場は減りました。交通量の多さや治安への不安から、親が外遊びを制限する傾向も強まっています。安全を思う気持ちは当然ですが、その結果として「自転車に挑戦する機会そのもの」が失われつつあるのです。

さらに外遊びが減ることで、子どもの体力やバランス感覚が育ちにくくなり、自転車習得のハードルは高くなります。自転車に乗ることは単なる遊びではなく、身体能力や空間認知を養う大切な経験でもあるのです。

学校教育の現場にも影響が出ています。交通安全指導として自転車の乗り方を教えるプログラムはありますが、基礎的な運動能力や経験が不足している子どもが増えることで、学校側の負担は大きくなっています。社会全体で「自転車文化をどう維持するか」が問われているのです。

これは日本にとっても他人事ではありません。安全志向や便利さから外遊びが減り、同じように子どもの「できること」が失われていく危険があります。しゃかさぽが大切にしているのは、日常の中にある「自立の一歩」を支えること。自転車でも白杖でも、道具を通じて「自分の力で移動できる喜び」を育むことが、安心して暮らせる社会につながっていきます。

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