近年、欧米諸国では認知症の有病率が減少しているという報告が相次いでいます。高齢化が進む日本にとっては驚きのニュースですが、その背景には私たちが学ぶべき大切な要素が隠されています。

第一に、教育水準の向上です。若い頃に十分な学習機会を得ることは、脳に「認知予備能」と呼ばれる余力を育てます。この余力が、加齢による脳機能の低下を補い、認知症の発症を遅らせることにつながっています。

第二に、生活習慣病の予防。高血圧や糖尿病、喫煙、運動不足といった要因は、認知症リスクを大きく高めます。欧米では禁煙政策や栄養改善、運動習慣の定着が社会全体で進められており、その成果が現れているのです。

第三に、公衆衛生の仕組みづくりです。心疾患や生活習慣病の対策を国レベルで展開し、地域での健康啓発活動を重ねてきたことが、認知症減少を後押ししています。

一方、日本では世界でも類を見ないスピードで高齢化が進み、認知症の増加が避けられない状況にあります。だからこそ今こそ、欧米の成功事例を参考に「教育」「予防医療」「社会的健康政策」の三本柱を整えていく必要があるのです。

しゃかさぽとしては、認知症を「避けられないもの」と受け入れるだけでなく、日々の生活や地域の取り組みを通じて「予防できるもの」として考える視点を大切にしたいと感じています。

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