盲学校での歩行指導は、視覚に障害のある子どもたちの「自立」へ向けた大切な学びの一つです。その実施形態を見てみると、大きく二つの流れがあります。ひとつは、学校に在籍する教員が歩行訓練士の資格を持ち、日常的に授業や生活の中で指導を行うケース。もうひとつは、外部の歩行訓練士を招いて協力を得る、いわば委託型の体制です。

有資格の教員による指導は、北海道や東北、栃木・埼玉・東京など関東圏、さらには大阪・兵庫といった都市部で見られます。校内に専門性を持つ人材がいることで、日々の登下校から教室での動きまで、継続的かつきめ細やかな支援が可能になります。一方で、教員が資格を取得するには相応の研修や実務経験が必要で、配置には地域差があるのも現実です。

その空白を補う形で、外部の歩行訓練士が力を発揮している県もあります。三重ではNPO所属の訓練士が週1回学校で指導し、静岡や愛知(名古屋)でも外部の専門職が日常的に協力しています。福岡(北九州)では常時、外部訓練士との連携体制を敷き、佐賀や鹿児島では必要に応じて招聘するスタイルがとられています。限られた専門職をどう活用するか、地域ごとに模索が続いています。

「歩行」という営みは、ただ安全に道を歩くためだけでなく、自分の世界を広げ、学びや社会参加につなげるための力そのものです。しゃかさぽは、このような学校現場での実践を尊重しながら、地域の中で誰もが安心して挑戦できる環境を広げていきたいと考えています。

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