視覚障害のある子どもたちにとって、白杖を使った歩行技術の習得は「自立への第一歩」です。けれども、日本の盲学校ではまだ地域や国を越えて共通化された仕組みが整っていません。そのため、せっかく身につけた技術が転校や卒業のタイミングで途切れてしまうこともあります。
そこで私たち「しゃかさぽ」が大切にしたいのは、どこの盲学校に通っても、どこの地域に移っても、同じ基準で学び続けられる“共通のプラットフォーム”をつくることです。たとえば「O&Mパスポート」という形で、子どもの歩行技術レベルや習得済みのルート、使っている白杖やICT機器を一枚にまとめ、地域の歩行訓練士にバトンを渡せば、練習が途切れずに次へつながります。
この仕組みを育てていくためには段階があります。まずは学校と地域の訓練士が連携して、学習到達度を見える化し、卒業や転居時には必ず「引継ぎ面談」を行うこと。次に、行政や教育委員会と協力して制度化し、全国的に共通の枠組みを整えること。そして将来的には、国際的に通用する二言語対応の仕組みへと広げていくことです。
こうした連携が実現すれば、視覚障害児が「どこでも生きていける」だけでなく、地域や国を越えて安心して挑戦できる世界が広がります。大切なのは、今できる小さな一歩を積み重ねていくこと。子どもたちの未来がより自由で輝くものになるよう、しゃかさぽは歩行訓練士として、そして社会福祉士として、この取り組みを進めていきます。


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