長崎で開催された九州歩行訓練士会の研修では、「同行援護の新カリキュラム」と「虐待防止」、そして「視覚障害者の手引き」が大きなテーマとなりました。旧カリキュラムでは3日間の一般課程修了でガイドが可能でしたが、公共交通機関の実習が含まれていないため、現場での課題が指摘されてきました。新カリキュラムでは一般課程に全ての技術を含め4日間で修了する形となり、応用課程は座学中心に整理されました。受講者にとっては負担が増える一方、実践に直結する内容となり、より安心・安全な支援につながる改正です。
また、サービス提供責任者(サ責)の要件も緩和され、資格に加えて研修修了と3年以上の実務経験があれば就任可能になりました。これにより現場の担い手が広がり、柔軟な人材育成が期待されます。さらに免除科目制度が導入され、研修の進行が複雑になる課題も見えてきましたが、工夫しながら運営することが求められています。
新科目「外出保障」ではICF(国際生活機能分類)の視点が導入され、外出することが人権であることを改めて確認しました。加えて、事業所での虐待防止研修の義務化や、虐待が疑われる際の報告義務も強調されました。ネグレクトのように見えにくい虐待にどう気づき、どう行動するかはガイド一人ひとりの責任です。
最後に実技として「手引き」の多様性が示されました。誘導の基本原則は「安全」「効率性」「自然さ」「双方のやりやすさ」の4つ。白杖の携帯やエスカレーターでの対応、手の甲を使った位置の伝え方など、利用者の選択を尊重する工夫が数多く紹介されました。
今回の学びを次の研修や現場にどう生かすかが大切です。10月の応用課程では受講生一人ひとりがテーマを持ち、講義を担当する予定です。私自身も、問いを持ち帰り、現場で実践し続けたいと思います。


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