盲学校での歩行指導は、視覚に障害のある子どもたちが地域で安心して生活し、自立的に社会参加していくための大切な基盤です。しかし、その指導を誰が、どのように担うかによって、その効果は大きく変わってきます。

まず、学校に歩行訓練士の資格を持つ教職員がいる場合、日常の登下校や授業中に発生する小さな困難にも即座に対応でき、一貫した支援を提供できます。家庭への支援や保護者講習にもつなげやすく、生活全体を支える力が高まります。一方で、すべての学校に資格者が配置されているわけではありません。そこで重要となるのが、外部の歩行訓練士によるサポートです。

外部訓練士であれば、公共交通機関の利用など高度なスキル訓練に対応でき、地域の福祉施設やリハビリセンターと連携しやすい利点があります。卒業後の生活支援へとスムーズにつながるのも大きな強みです。また、必要に応じてスポット的に活用することもでき、効率的な人材活用という面でも有効です。

いずれにしても、歩行スキルの習得は「一人で歩ける」という実感をもたらし、自己肯定感や挑戦する意欲を育む心理的な効果をも生み出します。だからこそ、行政には「資格を持つ教員による日常的な支援」と「外部訓練士による専門的な補完支援」の両輪を推進してほしいのです。地域ごとの状況に応じて、教員の資格取得を支援するとともに、外部人材との連携体制を整えることが求められています。

歩行訓練士の活用は、教育の枠を超え、子どもたちの未来を広げる大切な投資であるといえるでしょう。

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