近年「GRIT(グリット)」という言葉が注目されています。これは「やり抜く力」と訳され、IQのような知能指数よりも人生の成果に結びつく大切な能力だといわれています。長期的な目標に向けて情熱を持ち、困難や失敗に直面しても粘り強く取り組み続ける力――それがGRITです。
学業成績やスポーツの成果、そして将来のキャリア形成に至るまで、才能や頭の良さだけでなく、GRITの有無が大きな違いを生み出します。例えば、失敗しても「次は工夫してみよう」と思える子どもは、たとえ成績が一時的に振るわなくても、長い目で見れば力を伸ばしていきます。
では、子どものGRITはどう育てればよいのでしょうか。大切なのは「挑戦できる環境」をつくることです。失敗を避けるのではなく、小さな挫折を経験しながらも再挑戦できる機会を与えること。そして、親や周囲が「結果」だけでなく「努力や過程」をしっかり認めてあげることが欠かせません。その積み重ねが「自分はできる」という自己効力感を育み、粘り強さにつながっていきます。
GRITは単に勉強や仕事の成功にとどまらず、人生全体の満足度や幸福感とも関係すると言われています。だからこそ教育や家庭の中で、この「やり抜く力」を意識的に育むことは、社会全体にとっても大きな意義があります。子どもたちが未来に向かって自信を持ち、自分らしく歩んでいけるよう、私たち大人ができるサポートを考えていきたいものです。


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