独立という言葉は、どこか華やかで自由な響きを持っています。会社勤めをやめ、自分の看板を掲げて歩み出す――その瞬間には、期待と不安が入り混じります。私の場合も、ある企業から「もう会社勤めはやめて独立した方がいい」と強く勧められ、背中を押される形で起業の道を選びました。

最初は彼らの機嫌も良く、支援も受けられ、順調に滑り出したように見えました。しかし、ビジネスの波は甘くありません。徐々に売れ行きは落ち込み、ある日を境に彼らは態度を変えました。こちらに置いていた商品を引き上げ、「あなたには任せられない」という無言のサインを残して去っていったのです。結局、起業からわずか3年で廃業という結末を迎えることになりました。

もちろん悔しさはあります。しかし今振り返ると、あの経験は「誰かに背中を押される独立」ではなく、「自らの意思で選び取る独立」の大切さを教えてくれました。他人にとって都合のよい独立は、支援が引き揚げられた瞬間に土台を失います。けれど、自分の芯から生まれた挑戦なら、困難にぶつかっても粘り強く立ち向かえるのだと思います。

3年で幕を下ろした挑戦は失敗と呼べるかもしれません。それでも私は、確かに多くを学び、成長するきっかけを得ました。廃業はゴールではなく、新たなスタート。しゃかさぽ流に言えば、「転んだ経験もまた、次の一歩を照らす灯り」なのです。

イメージ画像です。

コメントを残す