中学受験を控えたラスト3ヶ月における親の関わり方が合否を超えて大切であるように、視覚障害のある子どもの歩行訓練においても、親の姿勢はその子の成長に決定的な意味を持ちます。結果だけを追いかけるのではなく、この経験を「どう未来へつなげるか」が、子どもの自立や自己肯定感を大きく左右するのです。

「伸ばす親」の共通点は、子どもの努力や過程を認めることです。白杖の持ち方がまだぎこちなくても、「ここまで歩けたね」と声をかけると、子どもは安心感を得て、自分に自信を持つことができます。道に迷っても「挑戦したこと」に価値を見出す親の姿勢が、子どもに「自分は大丈夫」と思える力を与えるのです。

一方で「潰してしまう親」は、できなかった場面や危険な瞬間ばかりに目を向け、「なぜできないの?」と叱ったり、「このままでは一人で歩けない」と不安を口にしたりします。すると子どもは歩くこと自体がプレッシャーになり、本来持っている力を発揮できなくなってしまいます。

学習面と同じように、歩行訓練でも環境や体調管理が重要です。伸ばす親は安全な練習環境を整え、無理のないペースで子どもを支えます。一方で潰す親は練習量を増やすことに注目しすぎ、子どもの心をすり減らしてしまうのです。

歩行訓練に必要なのは「信頼関係」。子どもの挑戦を信じ、できたことを積み重ねていく声かけが、次の一歩を踏み出す力になります。ゴールは「危なげなく歩けること」だけではありません。「この経験をどう未来へつなげるか」を親子で共有できたとき、その歩みは確かな自立へとつながっていきます。

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