AI(人工知能)はいま、福祉の世界にも静かに、しかし確実に広がっています。介護ロボットや見守りカメラが転倒や徘徊を自動で検知し、職員の夜勤負担を軽くする。視覚障害者には画像認識AIが周囲の状況を音声で伝え、聴覚障害者にはリアルタイム字幕化が支援の橋渡しをする。これらはすでに現場で動き始めている「AI支援者」たちです。
一方で、AIが人の仕事を奪うのではないかという懸念も根強い。しかし福祉におけるAIの使命は、人間の「代わり」ではなく「支え」です。AIが記録整理や情報分析を担うことで、社会福祉士や介護職員は人との関わりや判断により集中できるようになります。
これからの福祉は「AI+人」の協働型へと進みます。AIが生活リズムや行動データを解析し、一人ひとりに合わせた支援プランを提案する。地域ではIoTとAIが見守りネットワークをつくり、孤立を防ぐ。そこに必要なのは、AIを使いこなす知識と、AIにはできない“人の温かさ”を両立する力です。
AIが人を理解し、人がAIを信頼する。その共生が、これからの福祉の新しいスタンダードになるでしょう。


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