「宿題やりなさい」
この一言を、私たちはどれほど無意識に口にしているでしょうか。
しかし、教育の現場では以前から、命令された学習は続かないことが指摘されています。言われて机に向かう子は、あくまで“やらされている”状態。そこに主体性は育ちにくいのです。
では、「自分から宿題をする子」は何が違うのか。
ポイントは、親の言葉の選び方にあります。
たとえば、「もう宿題終わったの?」ではなく、「今日はどれからやる予定?」と聞いてみる。すると、子どもは“答える側”から“考える側”へと立場が変わります。これは、行動を管理するのではなく、思考を促す関わりです。
また、結果だけを評価する声かけも要注意です。「早いね」「点数いいね」より、「工夫してたね」「集中してたね」といった過程を認める言葉の方が、子どもの中に「やってみよう」という気持ちを残します。
親が抱く不安や焦りを、そのまま言葉にしてしまうことも少なくありません。しかし、「将来困るよ」「だからダメなんだ」といった言葉は、学ぶ意欲よりもプレッシャーを強めてしまいます。
宿題を“管理”しすぎないことも大切です。横で監視するより、任せる。口出しするより、信じる。その距離感が、子どもの自立を後押しします。
親の言葉は、単なる指示ではありません。
「学ぶとは何か」「勉強は誰のためか」を、毎日の声かけが静かに伝えています。だからこそ、問いかける言葉を、大切に選びたいものです。


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